Let us build us a city and a tower, whose top may reach unto heaven.


浅草に散歩する途中、絶えず道端で人だかりができていると思ったらみなさんスカイツリー目当てなんですね。「高い建物」がどうしてこう好まれるんだろうな…大都会から離れた暮らしが長くなってきた私には正直なところ「喜びポイント」がわからないので、とりあえず人びとをまねて写真を撮ってみましたが…。ふうむ。


たとえば東京タワーはね、あれはもう、幼心にさえ感じる「観光地としての微妙さ」が醍醐味ですから。郷愁ただよう、愛すべき塔。あの蝋人形館も、デートスポットとしてどうなんだろう、っていう(私は好きですが)。京都タワー通天閣も同様の空気に包まれているように思えます。


それらとスカイツリーは根本的に違う気がしてならず。
あるいは数十年たてば同じになっているのかな。


世界中の大都市で高層建築を見るたび浮かぶのは、バベルの塔のイメージ。人間はどうしてこうも天へと想いを馳せるのだろう。



まだ未来が心もとなかったころ、制服姿で夜の東京散歩をつづけていたころ、ふと入った建物(確か文京区役所だった)の最上階からみた東京の夜景を、今でもくっきりと覚えている。


ぼんやりとした闇の中に白々と浮かび上がる東京の街は、きれいなんてものではなく、ただ怖かった。こんな街を創りあげてしまう人間の営みを、その欲望とエネルギーが具現化されていく街を、とても怖いと思った。


バベルの塔を見た神の気分(神に「気分」なんてあるのかそもそも謎だが)が、わかるような気がして。